夫の所在調査⑳

女同士ですから、恋愛の話なんかもよく話していました。私、社内恋愛で結婚したんですが、A子が取り持った感じです。A子の部署で同期だけで飲む機会があって、たまたま私も呼ばれて、彼を紹介されたんです。そのあと、何かと理由をつけては、A子に食事や飲み会呼ばれて・・・。そのうち、彼と付き合うことになったんです。後々、聞くと彼に私のことを紹介してくれと頼まれたA子が間を取り持つ形になったという事でした。A子は面倒見がよく、誰からも頼られる存在でした。

(なんだか、依頼者から聞いた話で勝手に想像していた女性像と全く違ったタイプの女性らしい・・・)

夫の所在調査⑲

『同僚の話』

運用よく、女性はまだその住所に住んでいた。事情を話すと、彼女のことはよく覚えていた。

彼女の同僚によると、彼女とは同期で、会社以外でも仲良くしていたようだ。彼氏(依頼者のご主人だが・・・)の存在も知っていたらしい。

A子は同期入社でした。入社同時、私は人見知りで、研修でも一人ぽつんと座っていることが多くなかなかなじめませんでした。そんな様子に見かねたのか、ある日「となりに座りなよって」声をかけてくれたのが、最初でした。A子は目立つタイプではありませんが、芯が強く、しっかりと自分の意見を言える、そんな人でした。まったくタイプの違う2人でしたが、なぜか気が合って、プライベートでも仲良くしていました。

夫の所在調査⑱

勤務先の線を当たってみると、やはり退職していた。彼女のプライベートまで知る人はいなかったが、ある女性に話を聞くことができた。

この女性、かなりのおしゃべり好きで、聞いていないことまで、あれこれ話してきた。自分の娘の自慢話や、ご近所の噂話、会社や上司の愚痴、よくまぁ話が尽きないもんだと・・・。何よりも、こちらの素性をしつこく探ってくるのには閉口した・・・。

おしゃべり好きの女性のおかげで、一番仲良くしていた元同僚の名前と住所を聞き出すことができた。明日はその住所に行ってみよう。

 

夫の所在調査⑰

『探偵』 お話はよく分かりました。

お伺いした情報を基に調査をさせて頂きます。

今後、些細なことでも結構です、もしまた何か思い出したことが

あれば、ご連絡ください。

さて、どこからあたっていこうか・・・女性と暮らしている可能性が高いなら、女性の線からあたった方がよさそうだ。まずは勤務先だな。やめている可能性が高いが、仲良くしていた同僚の1人や2人はいるだろう・・・。

夫の所在調査⑯

打ちのめされた感じでした。

離婚の話に関しては、私の方に有利なカードが揃っているとばかり思っていたのに、

そのカードを切ることなくゲームが終わってしまったのです。

 

あれから2年・・・

気持ちの整理もついて、ようやく一歩踏み出そうと思えるようになりました。

主人を探してください。お願いします。

 

夫の所在調査⑮

主人の持ち物を確認すると、衣類や履物はほとんどそのままで着の身着のままで出ていったようです。

でも、通帳や印鑑、権利書といった書類はなくなっていました。さらに私の口座にまとまった額の入金があったことが、後になって分かりました。慰謝料のつもりかもしれません。

いずれにしても、前々から計画して家を出ていったのは間違いありません。

その後、女のアパートにも行きましたが、引き払った後でした・・・

会社の同僚やよく通っていた飲み屋など、思い当るところは、すべて当たりましたが、

全く所在がつかめませんでした。

夫の所在調査⑭

翌朝、適当な会社名と偽名を使って電話を掛けると、「少々お待ち下さい・・・」と、待たされている間、まずは家に帰ってきてほしい。そして話をしましょう、と言おうと何度も頭で繰り返していました。

「お電話かわりました」と電話口の男性が主人の声ではありませんでした。そして続けて「〇〇は先月付で退職いたしました。代わりに要件をお伺いします」

「えっ、退職ですか・・・」

「はい。定年まであと少し残して希望退職いたしました」

「・・・・。そうですか、なら結構です」

あわてて電話を切りました。もう何も考えられませんでした。

夫の所在調査⑬

そしてある日、事件はおきました。

朝いつもと変わらず、会社に出かけて行った主人がその日は帰って来ませんでした。

今まで、だまって外泊をしたことがなかった人が・・・どうにでもなれと、自暴自棄になってしまったのかしら?

その時は2、3日すれば帰ってくるはず、最悪会社に連絡を取ればいい話だし、と軽く考えていました。

 

でも、2、3日たっても家には戻らず、何の連絡もありませんでした。

携帯電話に連絡しても、電源がはいっていないか圏外にいますという、あのお決まりのメッセージが流れるだけで・・・

さすがに、焦りを感じました。明日は他人を装って会社に電話を入れてみようと決めました。その夜は今でも覚えているくらい、夜明けが待ち遠しくて、あんなに長く感じた夜は今までにありませんでした。

夫の所在調査⑫

それからは、主人が何か言いたげなそぶりをすると、はぐらかすように、別の話題を振ったり、わざと離婚の話を出来ないようにしていました。言いたいことをかみ殺して、口の端をゆがめて、悔しそうにしている顔を見て見ぬふりしながら、いい気味だわと内心ほくそえんでいました。

そのうち、あきらめたのか、離婚話をきりだしたときの思いつめたような顔をすることもなくなり、何かを話したいというような雰囲気を感じることもなくなっていきました。

夫の所在調査⑪

離婚話を切り出され、長い沈黙の後、笑い出した私を、化け物でも見るかのような目で見ていました。あわれとでも思ったんでしょうか、その日はそれ以上、離婚の話には触れませんでした。

翌朝、朝食を食べ終えた後に、「昨日の話は、本気だから、真剣に考えてくれ」とだけ言い出かけていきました。

私は迷っていました。離婚までのシナリオをいくつも考えていました。

女の存在を知らなかったふりをして、それなりの慰謝料をもらって離婚するか・・・

いや、これまで私も苦しんできたんだもの、今までの恨みをぶつけなければ、気が済まない。それに、私が昔から全て知っていたことを知ったら、あの人はどんな顔をするのかしら?それも見ものだわ・・・そのうち、どう懲らしめてやろうかという事しか考えられなくなりました。